1997年に初めてヘアショーに出場しました。当時、アジア最大規模を誇る都内カットスクール主催での実演展示は、特にインパクトがありました。大勢の観衆の前で手元はガタガタ震えが止まらないほどの緊張感がありましたが、10分程度の出番に向けて1週間ほどの準備を費やしました。モデル探しや事前のヘアカラー処理など、細部にわたる準備が必要でした。
新しいもの好きの石倉は、当時美容師としては珍しくシザーベルトを着用していました。シザーベルトは、シザー(ハサミ)を収納するためのベルトで、腰に巻いて使用します。これにより、カット中にシザーを素早く取り出すことができ、作業効率が向上します。当時はまだ一般的ではなかったため、石倉のスタイルは注目を集めました。
ヘアショーの準備は大変でしたが、実演展示を通じて受講生に技術の細部やプロの手さばきを間近で学ぶ機会を提供できました。ブラントカットのデモンストレーションは、シンプルでありながらも高度な技術が求められるため、参加された美容師にとって非常に有益であり、実演を通じて、実践的なスキルを身につける良い機会となり、技術向上に大いに役立つことを願っています。
このような経験は、石倉自身の技術向上にもつながり、自信を深める一助となりました。ヘアショーでの成功は、キャリアにおいても重要なステップとなり、その後の活動にも大きな影響を与えました。